環境に合わせて2
京の町家の特徴であるこの土間(通り庭)は、しかし、現在次々と姿を消していっている。
光華高校での先の調査時点では、八〇~九〇パーセントの住宅に通り庭があり、その七〇パーセントに伝統的な形式の台所があったという。
しかし、その後のある時点から急激に改造され、なくなっていった。
それはベッド 通販などで寝たりと、生活が変わったのだろう。
長尾さん宅も例外でなかった。
いったいなにがその契機だったのか。
長尾さんにたずねてみたが、返事はこうだった。
「それははっきりしてますよ。
水洗になったのがきっかけです。
前の道は石だたみだったんです。
子供の時、これをはがして下水管を入れているのを思い出しました、それまでは百姓さんが天秤棒に桶を下げて汲取りにきてましたよ」
通り庭は、それまでは汲取りのための通路として欠かせなかった。
しかし、水洗化で汲取りが不要になり、加えてカマドの燃料もガスに変り、マキや炭火を取扱う必要もなくなった、全国的にダイニングキッチンが流行し始めた。